Case
事例紹介

開発プロセスの刷新とPMツール活用による品質改善:赤字プロジェクトからの脱却

プロジェクトの背景

国内のクラウドサービス市場は急速な拡大を続けており、企業のDX推進においてSaaSやプラットフォーム提供の重要性は日増しに高まっています。市場競争が激化するなかで、サービス提供側には「スピード」と「品質」の両立が厳格に求められるようになりました。しかし、開発サイクルが短縮化し、プロジェクトの複雑性が増すなかで、品質管理の不備からサービス停止や障害対応に追われ、本来投じるべき新規投資の余力を失っている企業も少なくありません。今回ご支援した大手クラウドサービス開発会社様も、業界の急成長に伴い事業規模を拡大させていた一方で、組織的な管理体制の整備が追いつかず、開発現場の混乱が経営を圧迫する深刻な事態に直面していました。同社は、サービス競争力を維持するための継続的な機能追加と、安定した運用という相反する要求を制御できなくなり、抜本的な立て直しを必要としていました。弊社はシニアコンサルタントとして、現状の課題分析から新プロセスの策定、さらにはプロジェクトマネジメントツールを活用した高度なマネジメント体制の構築までを一貫して支援いたしました。

クライアントが抱える課題

同社では、自社で開発する複数の製品において、本番リリース後の重大な障害が多発していました。この障害対応による手戻り工数の増大が直接的なコストを押し上げ、多数のプロジェクトが採算を度外視した赤字状態に陥っていました。課題の深層を探ると、複数の構造的な要因が浮き彫りとなりました。第一に、市場の要求に応えるための極端に短い納期設定と、要件定義が不十分なまま進行する度重なる仕様変更です。第二に、開発実務をオフショアベンダーに全面的に委託していたものの、丸投げに近い状態となっており、同社側でのガバナンスが全く機能していなかった点です。第三に、既存の業務フローやルールが現状に即しておらず、形骸化した承認プロセスやチェックリストが単なる事務作業と化していました。これにより、リスクの予兆を早期に検知することが不可能となっていました。こうした状況下で現場は連日の障害対応と長時間労働により疲弊し、プロジェクト離任率が高止まりするなど、次世代を担うべき優秀な人材が定着しないという、経営の根幹に関わる課題を抱えていました。

弊社が提供したソリューション

弊社は、同社の抱える課題を「開発プロセス」「管理体制」「技術基盤」の三方向から解決するため、弊社独自の知的資産に基づいた包括的な支援を実施しました。まず着手したのは、現場の負荷を最小限に抑えつつ、実効性の高い「新開発・マネジメントプロセス」のクイックな策定です。具体的には、開発の各フェーズにおける成果物の品質基準を明確化した「新開発プロセスガイド」および標準フォーマットを整備しました。さらに、オフショアベンダーへの委託品質を管理するための「成果物レビューチェックリスト」や「品質保証ガイドライン」を構築し、それまでブラックボックス化していた開発の中身を可視化する体制を整えました。策定したプロセスを確実に定着させるため、弊社コンサルタントがQMO(Quality Management Office)として実際のプロジェクトへ参画し、伴走型の支援を行いました。現場での実働を通じて、抽象的なルールの解釈を具体化し、定着化を阻害する要因を逐次解消していきました。

適用による効果

一連の支援の結果、導入から約2年で新開発プロセス、フォーマットは主要プロジェクトへの適用、浸透が始まり、弊社QMOが伴走することにより各プロジェクトにおけるプロジェクトマネージャ、開発リーダー、現場担当者側でも意識しながらプロジェクトを遂行できるようになってきました。今回開発工程・プロジェクトマネジメントプロセス、レビュー観点を整備したことにより、今後は各プロジェクトにおいて実績値を蓄積させていき、最終的には自社独自の品質指標値の確立やAIによる作業効率化に繋げていく予定です。

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